« 「エコマテリアル」と「エコデザイン」 | トップページ | ペンドル・ヒルに見るサステイナブルな環境づくり »

2006/01/14

アスベスト問題-アメリカの場合

co_johnsmanville
 ロッキーの美しい自然景観の中に、それと対比する形で先端的建築デザインを配置したこの建物は、ジョーンズ・マンヴィル社がその本社をニューヨークから、この自然環境に恵まれたコロラド州デンバーに移転したときに建てられました(1976年竣工)。デザインコンペを勝ち取り設計を担当したのは、その創始者ウォルター・グロピウス亡き後のアメリカのエリート建築家集団TACです。
 ジョーンズ・マンヴィル社は、耐火性のあるアスベスト製屋根瓦の製造販売で19世紀の中頃に創業した歴史ある会社ですが、この本社ビルを建てた頃は年間売上高が1ビリオンドルを越えるという巨大企業で、世界中に支店網を張り巡らせていました。ところが1970年代後半からアスベスト問題による集団訴訟を受け倒産に追い込まれてしまいました(現在は長い再建の歴史の結果、同名の健全な会社として甦っています)。その時に、この本社ビルも手放し、現在は航空宇宙産業関連の会社のビルとして使われています。

 日本では、最近になって「静かな時限爆弾」といわれるアスベスト(石綿)による健康被害の問題が連日のように新聞やテレビをにぎわせています。アスベストによる健康被害は半世紀も前から懸念され始めていて、WHO(世界保健機構)は30年ほど前に警告を発し、欧米ではいち早く生産を中止し、流通も中止されていました。アメリカでは、ビルなどからアスベストの除去工事を行うときは、その一帯の街区を封鎖して工事を行うほどでした。なぜ日本では、対応がこんなに遅れたのか・・・。「沈黙の春」の警告も日本では活かされなかったのでしょうか。

|

« 「エコマテリアル」と「エコデザイン」 | トップページ | ペンドル・ヒルに見るサステイナブルな環境づくり »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/131675/8158031

この記事へのトラックバック一覧です: アスベスト問題-アメリカの場合:

« 「エコマテリアル」と「エコデザイン」 | トップページ | ペンドル・ヒルに見るサステイナブルな環境づくり »