2006/02/17

コロラド/カリフォルニアのサステイナブル・デザイン

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標高2200mの山間リゾート地にある研究所本部 (ロッキー・マウンテン研究所)

 「Natural Capitalism」が1999年に発行されてようやくその日本語版が昨年の10月に刊行された。この21世紀の資本主義を構想する画期的な著書は、コロラド州にあるNPO/ロッキー・マウンテン研究所を主宰するエイモリ・B・ロビンスとL・ハンター・ロビンス夫妻、並びにカリフォルニアのサウサリトでNPO環境教育団体「ナチュラル・ステップ」を主宰するポール・ホーケン氏により著されたものだ。今回は、AIAの2001年度デンバー大会出席を兼ねて、この著書にも紹介されているコロラドとカリフォルニアのサステイナブル・デザイン・コネクションを辿る旅をした。

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2006/02/01

ペンドル・ヒルに見るサステイナブルな環境づくり

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ペンドル・ヒル内の「バーン」 古い納屋を改装した建物で集会所として使われている。

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2006/01/14

アスベスト問題-アメリカの場合

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 ロッキーの美しい自然景観の中に、それと対比する形で先端的建築デザインを配置したこの建物は、ジョーンズ・マンヴィル社がその本社をニューヨークから、この自然環境に恵まれたコロラド州デンバーに移転したときに建てられました(1976年竣工)。デザインコンペを勝ち取り設計を担当したのは、その創始者ウォルター・グロピウス亡き後のアメリカのエリート建築家集団TACです。
 ジョーンズ・マンヴィル社は、耐火性のあるアスベスト製屋根瓦の製造販売で19世紀の中頃に創業した歴史ある会社ですが、この本社ビルを建てた頃は年間売上高が1ビリオンドルを越えるという巨大企業で、世界中に支店網を張り巡らせていました。ところが1970年代後半からアスベスト問題による集団訴訟を受け倒産に追い込まれてしまいました(現在は長い再建の歴史の結果、同名の健全な会社として甦っています)。その時に、この本社ビルも手放し、現在は航空宇宙産業関連の会社のビルとして使われています。

 日本では、最近になって「静かな時限爆弾」といわれるアスベスト(石綿)による健康被害の問題が連日のように新聞やテレビをにぎわせています。アスベストによる健康被害は半世紀も前から懸念され始めていて、WHO(世界保健機構)は30年ほど前に警告を発し、欧米ではいち早く生産を中止し、流通も中止されていました。アメリカでは、ビルなどからアスベストの除去工事を行うときは、その一帯の街区を封鎖して工事を行うほどでした。なぜ日本では、対応がこんなに遅れたのか・・・。「沈黙の春」の警告も日本では活かされなかったのでしょうか。

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2006/01/10

「エコマテリアル」と「エコデザイン」

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「エコマテリアル」と「エコデザイン」をテーマとした
JIA日本建築家協会2000年度賛助会員大会報告

 第12回JIA賛助会員大会、及び記念合同講演会は2000年3月13日に日本青年館において開催されました。今年は2000年紀初頭の大会ということで、建築を取り巻く産業界にも大きな価値の転換を要求している環境問題について考える機会にしたいと思い、エコデザインの世界的リーダーの1人として活躍されておられる東京大学国際・産学共同研究センター/東京大学生産技術研究所教授(兼任)の山本良一先生をお招きして、地球環境問題からエコマテリアル/エコデザインにわたる広範囲な問題点について、大変力強く且つ説得力に富んだお話を伺いました。続いて建設省建築研究所の福島敏夫氏から、建築分野におけるエコマテリアル、エコマテリアル・デザイン及びエコライフサイクル・デザインの果たす役割についてその現状と課題について、高橋元氏からはJIAが進めているエコマテリアルの評価認定と情報公開について、そして野沢正光氏には建築家は一市民としての尺度を持ち如何に全体を見ながらこの環境問題に取り組んでいくべきかなどのお話を伺いました。岩村和夫先生にはモデレーター役をお願いしましたが、この多角的な視点から成る大変情報量の多い講師の方々の発表と、それに続くパネルディスカッションを見事にまとめて頂きました。講師の方々の議論を全て紹介したいところですが、ここでは誌面の都合から、山本良一先生の基調講演内容を中心に報告したいと思います。

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