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2006/01/26

古家を建て替えたいのですが

☆ご質問003☆

 築38年の古家で、今まで増改築を何度か行っております。土地は85坪ありますが、段差がある変形地です。道から1メートルほど下がった60坪の土地に30坪の平屋(一部2階建て)と、道と同じ高さの25坪程の車庫があります。山際にあるため湿気があり、冬になると日当たりも悪いので、古家を倒して下を車庫にした2階建てを建てたいのですが予算はどのくらいかかるのでしょうか。まずはどこに相談したら良いのでしょうか。

☆回答はこちら↓

 湿気対策も兼ねて住居を2階に配置するというのは良いお考えだと思います。但し、日常的に階段を使う生活になりますのでその点大丈夫かどうかという事と、車庫を1階に取り込んだ場合は法規上の延床面積に入り(但し緩和規定あり)、工事費も建物同様にかかりますのでその点承知しておく必要があります。それから希望される住居部分の面積は、おそらく車庫面積よりずっと大きくなるでしょうから、住居部分全体をピロティ形式で持ち上げたりするのでなければ、1階と2階の面積的配分を考えて、1階に配置してかまわないものは何かなどの検討が必要でしょう。気密性や断熱性が高くしっかり湿気対策を考えられた最近の住宅工法であれば、以前より湿気の問題は軽減されますので、日当たり等あまり必要とされない部屋を1階に配置することも考えられると思います。

 土地の地盤に関しては、土地が道よりも約1メートル低いという事ですので、一つには現在の車庫の位置で1階に車庫を取り込みながら2階建てを建てる方法が考えられます。但し車庫の建坪だけでは希望される家の大きさに足りないでしょうから、その他の部分は土を入れて地盤面を上げるか基礎を高くした設計の家にするなどの工夫が必要でしょう。もう一つの方法としては、敷地の中で最善の位置に1階に車庫を取り込んだ2階建ての家を建てるという考え方です。この場合は60坪の敷地内で道路から車庫までスロープがとれるか検討が必要です。スロープが取れない場合は、やはり土を入れて地盤面を上げる必要があるかもしれません。いずれにしても詳しくは敷地の形状や道路との関係がわからないと具体的な回答はできません。

 予算については希望される家の構造、工法、それに意匠や設備等の仕様により大きく変りますので、具体的にある程度設計を進めどのような家を建てたいのかというイメージを固めながら、その目標を実現するための費用として決める必要があります。予算は一応念頭におきながら、まずどのような家をつくりたいのかをはっきりさせていくことが大事と考えます。最近の統計的な住宅の価格については、住宅金融公庫の融資住宅規模規格等調査報告書(平成13年度物件調査/http://www.jyukou.go.jp/chisiki/chiiki/tyugoku0.htm)が一つの目安となります。それによると、岡山県全体では在来木造工法の場合は54.65万円/坪(総計1500件の平均値)、木質系プレハブ工法の場合で59.03万円/坪(総計508件の平均値)、鉄鋼系プレハブ工法の場合で60.63万円/坪(総計797件の平均値)、2×4工法の場合で56.01万円/坪(総計227件の平均値)となっています。

 予算について忘れてならないのは、これらの本体工事費のほかにいわゆる別途工事費(既存建物の解体費、地盤改良費、外構植栽費、各種引込工事費、備品等)とその他の諸費用(税金、各種手続き費用、引越し仮住まい費用)があり、全体の25%位を目安に見込んでおく必要があります。

 これらの事を相談する相手としては、やはりしっかりした見識と知識と能力のある設計士/建築家を探されるのが良いでしょう。一級建築士などの資格をもっている事はもちろんですが、実績や地域の評判などを確認して依頼されると良いと思います。施工業者に属さず独立して仕事をしている建築士/建築家であれば、設計料/調査費等の費用はかかりますが建て主の立場に立って仕事をしてくれます。相談等であれば無料で応じてくれる所も多いようですので何人か声をかけてみてはどうでしょうか。工務店やハウスメーカーでももちろん無料で相談に応じていますが、どうしても営業的色彩が強く、また担当者の知識能力も様々なようです。

建築設計のご相談はPDS(パシフィック・デザイン・システムズ 一級建築士事務所)へ
http://www.pdsi.co.jp

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