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2006/01/22

高齢者福祉施設を建てたい

☆ご質問002☆

 土地の有効利用を考えて、高齢者福祉施設を建てようと考えております。そこで、民間でも建てられるグループホームや有料老人ホームを考えているのですが、マンションなどとは違うため、勝手に建ててよいものなのかわかりません。やはり、何か特別な申請とかが必要になってくるのでしょうか。

☆回答はこちら↓

 高齢者の居住を目的とした施設としては次の3つがあります。

1.有料老人ホーム
2.グループホーム
3.高齢者向け有料賃貸住宅(高優賃)

 有料老人ホームは、老人福祉法において「常時10人以上の老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設であって、老人福祉施設でないもの」と定義されています。介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3つの類型がありますが、事業面・運営面から見て50戸以上の規模は必要なようです。介護保険の「特定施設入所者生活介護」の指定を受けるためには看護・介護職員等の人員基準が定められています。通常の建築確認申請の他、有料老人ホームとしての届出が必要で、且つ特定施設事業者の指定申請が必要です。

 グループホームは「痴呆性高齢者が5~9人という少人数で、入居者個々人が自分の使い慣れたなじみのある家具や道具類に囲まれながら、家族的で落ち着いた生活空間の中で、介護スタッフとの共同生活を送る場」とされています。平成9年に制度化され、法人格を持つ介護保険指定事業者となれば運営費や施設整備費などに補助金がでますが、設備基準や人員基準等を満たす必要があります。通常の建築確認申請の他、介護保険事業者の指定申請が必要です。

 高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)は「増大する高齢者単身・夫婦世帯等の居住の安定を図るため、民間賃貸住宅を活用し、高齢者の身体機能に対応した設計、設備など高齢者に配慮した良質な住宅ストックの早急な形成を促進すること」を目的として設けられた制度で、認定基準に沿った施設内容(5戸以上、1戸当たり25平米以上など)とすれば、建設費の補助、家賃の減額に要する費用の補助、生活援助員の人件費補助のほか、調査・計画策定に要する費用の補助も受けられます。また建設後の施設の管理運営を地方公共団体その他の団体が受託・借上げする制度もあり、それを活用すると施設の所有者はわずらわしい管理運営を第三者に委託することもできます。通常の建築確認申請のほか、都道府県知事等に対して申請が必要です。

 高齢者向け優良賃貸住宅に関しては、財団法人高齢者住宅財団http://www.koujuuzai.or.jp に高齢者向け優良賃貸住宅制度の解説や安心ハウス構想の解説があります。また高齢者向け優良賃貸住宅制度の案内パンフレット http://www.koujuuzai.or.jp/pdf/page07_02_02.pdf には全国都道府県と主要都市の窓口となる担当課の一覧がありますので、お近くの窓口で詳しくお聞きになると良いと思います。
他に参考となるHPもしくは参考図書を紹介しているHPとしては、NPO日本アビリティーズ協会 http://www.abilities.jp/ なども参考になるでしょう。

建築設計のご相談はPDS(パシフィック・デザイン・システムズ 一級建築士事務所)へ
http://www.pdsi.co.jp

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